むし歯菌は人から人に感染します。
とくに問題となるのがミュータンス菌で、一旦口の中に大量に感染するとなかなか排除できないという大きな問題があります。
実は、産まれたばかりの赤ちゃんにはむし歯菌(ミュータンス菌)がいません。赤ちゃんにむし歯菌がうつるのは、たいていご家族からです。密接に関わるお母さんが一番手で、口移しで食べさせたり、親の箸やスプーンで食べさせたりということでうつってしまいます。
むし歯菌に感染しやすい時期は、生後10カ月くらいで乳歯列が完成して、硬いものが食べられるようになる約2歳半といわれています。この間は赤ちゃんに使う箸やスプーンは専用のものにしたり、離乳食の際に咬み与えをしたりしないようにしましょう。
日頃の歯ブラシ習慣も大切になってきます。小さいころはお母さんが一緒に歯みがきを行うとともに、きちんと磨けているかの点検と仕上げをしてあげましょう。 小児歯科で定期検診やブラッシング指導を受けることもおすすめです。
フッ素塗布はむし歯菌から作られる酸の生成を抑制する効果が期待でき、とくに乳歯や、生えたての永久歯にはむし歯予防効果が大きいとされています。3~4カ月に1回の歯面塗布をおすすめします。
シーラントはむし歯になるリスクが高い歯の溝を、歯科用プラスチックで塞ぎ、汚れがたまらないように処置する治療です。乳歯は形が複雑なため、シーラント処置は効果的です。とくに奥歯の深い溝は汚れがたまりやすく、むし歯になりやすいところです。奥歯が生え出したらできるだけ早いうちに溝をコーティングするシーラント処理をおすすめします。
永久歯の質 |
歯乳歯のむし歯を放置すると永久歯の色が黄色く変色したり、乳歯の横から永久歯が生えてきたりすることがあります。 むし歯は早めに治療し、乳歯の横から永久歯が生えてきた場合は、早めに乳歯を抜きましょう。 |
|---|---|
歯並び・かみ合わせ |
乳歯のむし歯がひどくなり、早い時期に抜けてしまった場合、永久歯の歯並びに影響を及ぼすことがあります。かみ合わせが悪くなり、顎の成長や発育にも悪影響が出てくることもあります。 むし歯だけでなく、このような歯並びやかみ合わせの問題も、生え変わり時期に簡単な装置である程度改善することができます。 |
身体や発育にも影響 |
むし歯によって咀嚼能力が低下し、それにより身体や発育などに影響を及ぼす可能性が高まります。 幼児から小児期に、歯みがきや正しい食習慣など基本的な保健習慣を身に付けることは非常に重要です。保護者の方がむし歯の早期治療や定期的な歯科検診を心がけることで、お子様自身に「歯を守るケアは当たり前」という意識が育まれ、大人になってからも歯を守ることにつながります。 |
乳歯が生えて、すべて永久歯に生え変わるまでの時期(12歳くらいまで)は、口腔内や顎の骨格が目まぐるしく変化します。
この時期は、健康な永久歯と顔の骨格を作る大切な時期でもあり、乳歯は、永久歯の形や質、歯並び、発音、顎の発達や体の発育など、のちの成長に大きく影響を与えると考えられています。そのため、この時期の適切な口腔管理(むし歯予防)は、その後のリスクのコントロールにもつながります。当院では、むし歯予防を目的とした定期検診だけでなく、乳歯の重要性に着目し、大切な乳歯を守るための適切なケアをさせていただきます。
幼児から小児の時代に健全な乳歯で過ごすことこそ、今後の長い人生を支える永久歯と上手く付き合っていく鍵になります。「いずれ生え変わるから」といって乳歯のむし歯を放置せず、ぜひ定期検診に連れてきてあげてください。
乳歯はむし歯になると進行が早いので、3カ月ごとの検診をお勧めします。
忙しい毎日の中、お子様のお口のケアを完璧に行うことは、簡単なことではありません。
定期検診では、歯科医のプロの視点からチェックが受けられるため、どこにリスクがあるのかを的確に把握することができます。日頃のケアのポイントや歯を守るための知識などをお伝えしたり、不安・疑問などにお答えしたりする機会にもなります。
むし歯が見つかった場合でも、定期検診の中で早期発見・治療することができれば、お子様の負担も最小限に抑えることができます。また、継続して通っていただくことで成長過程が観察でき、顎の成長や歯並びも含めてお口の中をトータルで管理することが可能です。
検査によってむし歯になる原因を調べ、一人ひとりにあったケアをご提案します。一般的には以下の内容を実施します。
歯科医及び歯科衛生士によるブラッシング指導:お子様がどのように歯みがきをしているかをチェックし、磨き癖や間違った磨き方を修正して正しく磨けるように指導していきます。保護者の方に対しても、お子様の歯みがきの仕方や、仕上げ磨きのポイントなどについてご説明します。
Professional Mechanical Tooth Cleaning(専門的機械歯面清掃):歯に付着したプラークや歯石を取り除く治療で、主に超音波スケーラーやハンドスケーラーを使用してプラークや歯石を取り除き、プラークなどが再度付着しにくい状態にします。
むし歯に負けない歯を作るために高濃度のフッ素を定期的に塗布します。フッ素には脱灰(歯が溶ける)作用の抑制、再石灰化の促進、細菌の静菌・殺菌作用があります。乳歯、永久歯ともに生えたばかりのころはフッ素を取り込みやすく、この時期に塗布すると効果的です。
むし歯になりやすい奥歯の溝をフッ素成分配合の歯科用樹脂で埋めてむし歯を予防します。
むし歯になりにくい食事や間食の摂り方、歯みがきのタイミングなどについて、丁寧に指導いたします。
様々な要因で歯並びやかみ合わせに不調和が生じることがあります。「指しゃぶり」や「口呼吸」、「怪我」などが原因になることもあり、これらを早期にチェックし改善していきます。
当院ではお子様に楽しみながら歯の定期検診に通っていただくため、様々な工夫を取り入れています。また、保護者の方が質問しやすいように明るい環境づくりを心がけています。
痛くなってからの歯の治療は大人でもつらいものです。日頃から予防のために通院していれば、むし歯になる危険性が低くなりますし、万一むし歯になったとしても軽度で短時間の簡単な治療ですみます。しばらく歯科検診に行ってないお子様や、歯医者さんにあまり行ったことがないお子様には、ぜひ定期検診をお勧めいたします。
小児矯正は乳歯から始める矯正治療のことで、主に3歳から12歳までの子供の時期に行います。
矯正治療は大人になってからでも可能ですが、乳歯の時期から始めることで、永久歯に生え変わってからでは得られないたくさんのメリットが得られます。その理由は、大人は顎骨(がっこつ)の成長が終わっているため歯を動かすだけの矯正になりますが、子供の場合、成長段階にあるため、顎(あご)の成長をコントロールしながら矯正を行うことができるからです。
たとえば「出っ歯」であれば、下顎を前に成長させたり、もしくは上顎の成長を抑制したりすることができます。「受け口」であれば下顎の成長を抑制したり、上顎の成長を促進させたりすることが可能です。矯正に成長が利用できると前後的な不調和がなくなり、それによって、抜歯をせずに矯正ができる可能性が高くなります。これが最大のメリットといえます。
また、歯が異常な方向から生えてくると、歯並びに影響を及ぼし、顎が歪んでしまうことがありますが、早期に顎の歪みを発見できれば、悪い歯並びを治すことによって、その歪みを改善することができます。
矯正治療は、永久歯が生えそろう12歳頃を境目として、Ⅰ期とⅡ期の治療に分けられます。Ⅱ期治療は大人の矯正と同じですが、小児期特有のⅠ期治療では歯の移動だけでなく、顎の発達も視野に入れて土台からしっかり整えることで、最小限の負担で最大限の効果が期待できます。お子様の出っ歯、受け口、かみ合わせなど、些細なことでも気になる点がありましたらお気軽にご相談ください。
歯並びやかみ合わせが悪くなる原因として、指しゃぶり、口呼吸、舌の癖、頬杖などの習慣(癖)が関与していることがあります。お子様が4歳くらいになったら、以下の項目をチェックしてみてください。もし当てはまるものがあれば、小児矯正を検討したほうが良い可能性があります。
指しゃぶり(おしゃぶりを含む)、舌を突き出す、唇を噛む、爪を噛む、といった日常的な癖がある
いつも口をポカンと開けている(口呼吸をしている)
歯と歯の間にすき間がなく、きっちり詰まっている
普段から姿勢が悪い
歯ぎしりをしている
上下左右で20本の歯が生えそろっていない
下の前歯が上の前歯よりも前に出ている
放置しているむし歯がある
怪我などで抜けてしまった歯がある
成人矯正では歯をきれいに並べるスペース確保のため抜歯が必要となるケースがほとんどです。
小児矯正では、顎の筋肉や骨格の成長をある程度コントロールできるため、抜歯をせずに矯正治療ができる可能性が高くなります。
上下顎の成長をコントロールすることで、本来あるべき理想的な位置に歯を誘導できます。
結果として、上下顎のバランスや歯並びが整い、見た目もより良くなります。お子様の歯に関するコンプレックスも解消します。
成長段階にある子供のうちは骨が軟らかく、大人と比較して歯がスムーズに動きます。
そのため、歯が動く際の痛みも出現しにくくなります。
歯並びが悪いと歯ブラシが届きにくい部位ができて汚れがたまり、むし歯や歯肉炎のリスクを高めます。歯並びを整えることで歯みがきがしやすくなるうえ、お口の自浄作用により口内の病気の予防につながります。
小児矯正では、成人矯正で用いるワイヤー矯正のような歯に1本1本装着する装置は使用せず、簡単な装置で治療が可能です。また、放置すると骨格に異常が出てきてしまうようなケースでは、大人になってからの矯正では、顎骨切除などの手術が伴うことがあります。子供のうちに矯正治療を開始することで、そのような手術の可能性を低く抑えることができます。
デメリット
治療が長期にる
一番のデメリットは治療が長期になることです。「受け口」であれば早いお子様で4、5歳からの開始になります。その場合、治療がすむまで10年程度かかる可能性もあります。治療が長期になると、その分、毎月の矯正処置料などもかかってきます。
むし歯のリスクが高まることがある
装着する矯正装置によっては食べ物が装置のすき間に挟まりやすくなり、むし歯のリスクが高まることがあります。ただし、毎月通院していただくことになりますので、その際にフッ素塗布やむし歯のチェック、歯ブラシの指導なども行います。それによってむし歯になりにくくもなります。
小児矯正歯科には、治療時期によって、下記のような「第Ⅰ期治療」「第Ⅱ期治療」の2種類に分けられます。
Ⅰ期治療は、前歯が永久歯に生え変わり始めた小学校低学年から、完全に永久歯に生え変わる小学校6年生あたりの期間の治療です。
このⅠ期矯正治療では、歯並びだけを動かすのでは無く、顎を正しい成長へ促すために、歯がきれいに並ぶ土台を作ります。同時に、正しい舌の位置や、唇の運動、呼吸、嚥下などのトレーニングを行い、歯並びを悪くしてしまう悪い癖も矯正していきます。歯が並ぶためのスペースを確保するので、Ⅱ期治療に移行した場合でも、抜歯しなければならないリスクを下げることが可能です。
(※Ⅰ期矯正治療のみで、治療が終了する場合もございますが、この時期は成長過程で不確定要素も多く、小児矯正歯科は基本的にⅡ期矯正治療も視野に入れて行います。)
Ⅰ期矯正治療を受けたお子様が対象の治療です。12歳以上でⅠ矯正治療を受けていないお子様が歯列矯正を行う場合は、成人矯正(大人の矯正)をお受けいただくことになります。
Ⅱ期矯正治療は、Ⅰ期矯正治療では整いきらなかった永久歯をきれいに並べ、より厳密に咬み合せを矯正する治療です。対象期間はお子様の成長によって様々ですが、一般的に完全に永久歯が生えそろい、ある程度顎が成長しきった中学生時期から成人までが対象となります。矯正の方法は成人矯正と同じように、ワイヤーやマウスピースなどを用いて行いますが、Ⅰ期矯正治療が終わったお子様に行う治療なので、抜歯せずに歯並びを整えられる可能性が高いです。
子どもの歯並びは、成長とともに変化します。当院では、お子様の成長段階に合わせた最適な矯正治療をご提案しています
お子様の歯並びのお悩みは様々で、「前歯がガタガタ」「受け口」「出っ歯」など、症状によって適した矯正装置や治療計画が異なります。
お子様の歯並びが気になる方はお気軽に、ご相談ください。
小児矯正では、歯並びや顎の成長に悪影響を与える癖や姿勢、食習慣などの改善も行います。また、口周囲の筋肉の訓練を行うことで、筋肉や骨格の健全な発育を促します。この筋機能の訓練は、矯正治療が終わった後の「後戻り」を防ぐ効果も期待できます。
歯並び、かみ合わせ、骨格の状態を細かくチェックし、お子様に合わせた装置を用いて矯正治療を行います。小児矯正の矯正装置には、大きく分けて「可撤式矯正装置(取り外し式装置)」、「固定式矯正装置」、「顎外固定装置」があります。
| 床拡大装置(床矯正装置) | 総入れ歯のような床(しょう:顎に密着する部分)を固定源にして、少しずつ歯を動かしたり顎を拡大したりすることで、歯並びやかみ合わせを整えていきます。装置中央にあるネジを回すことによって顎の横幅が広がります。歯の生え変わりの時期は、土台の顎の骨を拡大しやすく、将来の歯のでこぼこも予防できる可能性が高い装置です。 |
|---|---|
| バイオネーター | バイオネーターは、下顎を前方に成長させて歯並びやかみ合わせを整える装置です。出っ歯の症例に使用することが多いですが、出っ歯であれば必ず使用するというものではありません。下顎の成長が悪いといった症例が良い適応となります。 |
| ムーシールド | 舌と唇のバランスが悪く、受け口になってしまった3~5歳のお子様に使用します。マウスピース型の装置を就寝時に着用していただき、舌圧と口唇圧のバランスを整えます。 |
固定式矯正装置は、お子様の意思にかかわらず常に装着されていますので、可撤式矯正装置(取り外し式矯正装置)と比べて効果が出やすい特徴があります。
| クワドヘリックス | 歯列の横幅を広げる装置で、可撤式矯正装置の床拡大装置と役割は同じです。 |
|---|---|
| 急速拡大装置 | 上顎の骨を土台ごと横に拡大して、上顎自体を大きくする装置です。上顎の真ん中には正中縫合といわれる骨の接合部があり、装置中央にあるネジを回し装置を拡げていくことでその部分が開いてきます。クワドヘリックスや床拡大床装置と異なり、骨ごと広げることが可能です。上顎が小さい、受け口のお子様が対象になります。 |
| リンガルアーチ(舌側弧線装置) | リンガルアーチは太い針金に細い針金(弾線)が付いており、この弾線を調整して歯を動かします。色々な使い方がありますが、主に歯を前に出すときに使用します。受け口の症例に使用することが多い装置です。 |
| タングガード | 舌を前に出す癖(舌癖)があると、舌で前歯を押してしまい前歯がかみ合わなくなることがあります。これを開咬(かいこう)といいますが、タングガードはそのような症例に用いられる装置です。 |
| 上顎前方牽引装置 | 上顎骨を前方に成長させる装置で、上顎骨の成長が悪い受け口の症例に使用します。 |
|---|---|
| ヘッドギア装置 | 頭に装着するヘッドギアと口の中に装着する金具を組み合わせた矯正装置です。主に上顎の過成長が原因で、出っ歯になっている症例に使用します。上顎の成長抑制のほかに、上顎大臼歯を後方に移動させて上顎前歯を後退させるためのスペースを作る目的でも使用します。患者様の年齢によって使用目的が異なる装置です。 |
| チンキャップ | チンキャップは下顎の成長を抑制する装置です。顎に装着するチンキャップ、頭に装着するヘッドキャップ、それらをつなぐゴムバンドから構成されています。ゴムバンドの調整や交換によって、チンキャップ部分にヘッドキャップの方向から引っ張る力をかけ、下顎の成長を抑制します。下顎の過成長が原因で、受け口になっている症例に使用します。 小児矯正では様々な種類の装置を使用します。しっかりと診断を行い、その診断に基づいた装置を適切に選択することが重要です。 |

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診療時間
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